旅館・ホテルのMeta広告を1日500円から始める手順(広告費115万円の13ヶ月で、直販の予約が205件になった北海道の宿の実例)

この記事は、広告を始めたいけれど何から手をつければよいか迷っている旅館・ホテル・ゲストハウスの方に向けて書いています。「Meta広告」=InstagramとFacebookに出せる広告のことで、1日500円のような少額から始められます。ここでは計測の準備から設定を動かさない日数まで、始める順番どおりに書きます。9つの施策の全体と立ち上げる順番は「旅館・ホテルの集客方法9つと、立ち上げる順番|長野と北海道の宿でやっている全手順」にまとめました。

旅館の木造の湯小屋|広告の写真に使う風呂の1枚
FIELD / RYOKAN / JAPAN  ·  風呂の写真

最初の1ヶ月は、予約より写真と文章の反応を見る

広告は、9つの施策のなかでいちばん早く反応が返ってきます。検索やSNSが育つまでには時間がかかるので、その間を埋める役目もあります。

最初の1ヶ月は、広告全体で1日500円で構いません。1ヶ月の広告費にすると、約15,000円になります。

この1ヶ月は、どの写真とどの文章に反応があるかを知ることを予約より優先します。反応のよい写真と文章が分かれば、2ヶ月目からはそこに予算を寄せられます。

時期やること
配信の前ピクセルを公式サイトに入れて予約完了を数える設定をし、テスト予約で確かめる
配信の初日型の違う3本を、3本合わせて1日500円の予算で同時に出す
3日後クリック率のいちばん低い1本を止めて、残りの2本に予算を回す
1ヶ月後反応のよかった写真の別カットで、次のクリエイティブを作る

※「ピクセル」「クリック率」「クリエイティブ」は、このあとの章で説明します。

広告費を月いくらにするかは、宿の売上から逆算して決めます。決め方は「旅館の広告費は月いくらが適正か|月30万円でROAS1,200%の実例」にまとめているので、この記事では始める手順に絞ります。

北海道の全3室の宿、13ヶ月の直販予約205件

私たちが支援している北海道の宿は、人口約4,000人の町にある全3室の古民家のオーベルジュです。「オーベルジュ」=料理を中心にした、泊まれるレストランのような宿のことです。

この宿では、2025年5月から2026年5月までの13ヶ月に広告費115万円をかけました。同じ13ヶ月の公式サイトの直販は、売上が1,596万円で予約は205件です。

1,596万円と205件は同じ期間の直販の総額で、広告以外の経路から入った予約も含んでいます。

広告費は、月10万円前後で運用しました。1日500円で始める場合より大きな金額なので、最初は小さく始めて反応を見てください。

長野県高山村の旅館「松川館」では、月30万円の広告費で運用していた時期があります。「ROAS」(かけた広告費に対して売上が何倍返ったかを示す数字)は、最高で1,200%超でした。

月30万円と1,200%超は、松川館が支援先の宿だった時期に私たちが担当して出した数字です。1,200%超は最もよかった月の値なので、毎月の数字として読まないでください。

2つの宿に共通しているのは、予約完了を数える計測を置いてその数字を見ながら予算を動かしたことです。次の章では、その計測の準備を書きます。

ピクセルと予約完了のURLを、配信の前に用意する

配信を始める前に、次の4つを順番に用意します。

1
Facebookページ(宿の公式ページ)Meta広告の出し手になるページです。すでにあれば、そのまま使えます。
2
Instagramのアカウントと、Facebookページとの連携Instagramにも広告を出すために、2つをつないでおきます。
3
ビジネスマネージャのアカウント広告アカウント・ページ・計測のコードをまとめて扱う、Metaのアカウントです。
4
Metaピクセル(サイトに貼る計測用のコード)広告を見た人が公式サイトで何をしたかを、Metaの管理画面で数えられるようにします。

ピクセルは、公式サイトの全ページに入れます。ここを飛ばすと、広告を見た人が予約したかどうかが分かりません。

「予約完了ページが表示されたら1件」と数える設定をする

「コンバージョン」=広告の成果として数える行動のことで、宿の場合は予約の完了です。Metaの管理画面では、予約完了ページが表示されたときに1件と数えるように設定します。

そのためには、予約完了ページのURLがほかのページと分かれている必要があります。分かれていない場合は、使っている予約システムの提供元に相談してください。

設定したら、自分でテスト予約を1件入れます。管理画面で、その予約が1件と数えられているかを確かめてください。

配信の目的は「予約を増やす」ほうを選ぶ

広告を作る画面では、最初に配信の目的を選びます。クリック数を集める目的より、予約などの成果を増やす目的を選んでください。

クリック数を集める目的を選ぶと、Metaはクリックしやすい人に広告を届けます。その結果、クリックは増えても予約は増えない配信になりがちです。

写真1枚・4枚並べ・10秒動画の3本で比べる

広告に使う写真や動画、文章のことを「クリエイティブ」と呼びます。最初は、型の違うクリエイティブを3本同時に出して比べます。

型使う素材
写真1枚と短い文章料理か風呂の、いちばん強い1枚
写真を並べたもの客室・風呂・料理・外観の4枚
短い動画10秒ほどの動画(窓を開ける場面・湯を張る場面・料理を運ぶ場面など)

文章は、3行までにします。1行目に「誰に向けた広告か」を書くと、関係のない人のクリックが減ります。

広告の文章(例文)

1行目:夫婦の記念日に、静かな宿を探している方に。

2行目:夕食は、囲炉裏のある部屋でお出しします。

3行目:空室は、公式サイトで確かめられます。

写真は、スマホで撮ったもので構いません。どの写真に反応があるかは、出してみて初めて分かります。

2回目は、勝っている写真の別カットから作る

1ヶ月後に作る次のクリエイティブは、反応のよかった写真の別カットから試します。まったく別の案より当たった写真の延長のほうが、次も反応を取りやすいからです。

たとえば露天風呂の写真が当たったなら、同じ露天風呂を別の時間や角度で撮ります。比べる枠には別の写真を常に入れておき、今の広告が飽きられたときにすぐ差し替えられるようにします。

車で2時間の範囲と、温泉・旅行の興味から届ける

届ける相手は、最初は次の2つで決めます。

決めること最初の設定
地域宿から車で2時間以内の範囲、または主要な都市
興味温泉・旅行・国内旅行

細かく絞りすぎると、届く人がいなくなります。年齢は、実際に泊まっているお客様の層に合わせてください。

宿泊台帳で泊まったお客様の住まいの地域と年代をざっと数えておくと、設定の根拠になります。台帳の数字が手元にない場合は、フロントで受けた印象から始めてあとで数字を見て直します。

サイトを見た人にもう一度届ける「リターゲティング」

「リターゲティング」=公式サイトを見たのに予約しなかった人へ、もう一度広告を出す配信のことです。ピクセルが入っていれば、この配信を設定できます。

予算は3本合わせた1日500円とは別に用意し、それより少ない金額で構いません。すでに宿を知っている人に届くので、反応が返りやすい配信になります。

管理画面で見る数字は4つ、設定は3日動かさない

管理画面には、たくさんの数字が並びます。毎回見るのは、そのうち次の4つです。

見る数字意味見方
表示された回数広告が人の画面に出た回数少なすぎるときは、届ける相手を絞りすぎていないかを見直す
クリック率広告を見た人のうち、クリックした人の割合(CTR)低いままなら、写真か文章が合っていない
予約完了の件数ピクセルで数えた予約の数クリックが多いのに0件なら、届ける相手か公式サイトを見直す
1件あたりにかかった金額広告費を予約完了の件数で割った金額宿の利益から見て、払ってよい金額を超えていないかを見る

出した翌日に止めず、3日は設定を動かさない

Metaの配信は、誰に出すと反応があるかを配信しながら学んでいきます。この学習が落ち着くまでには、数日かかります。

出した翌日に止めたくなっても、3日は待ってください。3日たってから、3本のうちクリック率のいちばん低い1本を止めます。

止めた1本の予算は、残った2本に回します。そのあとも、設定を動かすのは3日に1回までにして毎日は触りません。

3本ともクリックがまだ少なく差がはっきりしないときは、止めずにもう3日待ちます。

1日500円だと3日のあいだに入る予約はまだ少ないので、この段階ではクリック率で比べます。

予約の件数を見て広告の良し悪しや予算を決め直すのは、配信を始めて2週間ほどたってからにします。

止める・足すの判断に使っている、私たちの目安

クリック率が1%未満の週が2週続いた広告は、止めて写真か文章を差し替えます。「フリークエンシー」(同じ人に広告が表示された平均の回数)が3を超えたら、別の広告を足します。

どちらの目安も、宿の状況によって合う基準は変わります。クリック率がよいのに予約が増えないときは、広告より先に公式サイトの料金の見せ方や予約までの道筋を疑ってください。

効いている配信を毎日触って、成果が落ちた失敗

私たちの失敗:効いている広告を頻繁に触った

成果が出はじめた広告を、もっと良くしようと頻繁にいじった時期があります。触るたびに配信の学習がやり直しになり、成果が安定しませんでした。

いまは効いている広告の予算や届ける相手を2週間ほど変えずに、数字だけを見ています。

私たちの失敗:完璧なクリエイティブを1本作ろうとした

始めたころは、作り込んだ1本を仕上げるのに時間をかけていました。実際には、素直な写真を何本も出して数字に選ばせるほうが早道でした。

ほかによくある4つのつまずき

1
ピクセルを入れずに始める。何件予約が入ったかが分からないまま、広告費だけが減っていきます。
2
毎日設定をいじる。学習が進まず、成果が安定しません。動かすのは3日に1回までにします。
3
予約完了ページのURLを分けていない。計測ができないので、広告の良し悪しを判断できません。
4
クリック数の多さで判断する。見るのは予約の件数です。クリックが多くても予約が0件なら、届ける相手が合っていません。

広告より先に整えることがある宿

予約完了ページのURLが分かれない予約システムを使っている宿は、配信より先に予約の仕組みを見直してください。計測が置けないまま広告を出すと、効いたかどうかを確かめる方法がありません。

広告費をまったく出せない宿は、Googleマップや検索の記事のように手間で進められる施策から始めるほうが向いています。広告は、計測と受け皿が整ってから足しても遅くありません。

このページのチェックリスト(8項目)

終わった項目に、印をつけながら進めてください。

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このページのチェックリストを含む9章分(チェックリスト70項目・全31ページ)を、印刷できるPDFでお送りします。

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よくある質問

広告費は、月いくら必要ですか。

宿の規模と目標で変わるので、売上から逆算して決めます。私たちが関わった宿には月30万円で運用した例と月10万円前後で運用した例があり、決め方は「旅館の広告費は月いくらが適正か|月30万円でROAS1,200%の実例」にまとめています。

Google広告と、どちらから始めればよいですか。

私たちはMeta広告から始めています。宿は写真で選ばれるので、InstagramとFacebookに写真で出せる広告と相性がよいからです。

広告の写真は、スマホで撮ってもよいですか。

構いません。作り込んだ1本より宿の実際の写真を型違いで3本出して比べるほうが、早く反応が分かります。

広告から、予約サイトのページへ飛ばしてもよいですか。

おすすめしません。予約サイトへ飛ばすと、手数料のかかる予約に自分で誘導することになります。ピクセルで予約完了を数えることもできないので、行き先は公式サイトにしてください。

ピクセルの設置が難しいときは、どうすればよいですか。

サイトを作った制作会社に、「Metaピクセルを全ページに入れてください」と頼めば通じます。入れたあとは、テスト予約で1件と数えられるかを自分で確かめてください。

広告の運用を代理店に頼むときは、何に気をつければよいですか。

広告アカウントとピクセルは、宿の名義で作ってください。代理店の名義で作ると、契約が終わったときにそれまでの数字を引き継げなくなることがあります。

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Meta広告の設定と初回の広告づくりから予算の調整や写真・文章の差し替えまで、ご相談を承っています。お申し込みの方には、お宿の集客カルテ(通常5万円相当)をお作りします。

無料相談はZoomで1時間です。相談だけで終えていただいても構いません。

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