「公式サイトは、何人が見ているのかも分からない」というお悩みを持つ宿の方に向けた記事です。旅館・ホテルのホームページの制作やリニューアルの前に、スマホで確かめる8つの点検と、予約ボタン・直販の特典・予約システムの選び方をまとめました。旧サイトの全26ページを引き継いだ、北海道の宿の作り直しの実例も紹介します。9つの施策の全体と立ち上げる順番は、「旅館・ホテルの集客方法9つと、立ち上げる順番|長野と北海道の宿でやっている全手順」にまとめています。
集客をどれだけ頑張っても、最後に予約する場所がなければ予約は入りません。公式サイトは、SNSや広告や検索から来た人を予約につなぐ受け皿です。
「直販」とは、予約サイトを通さずに、公式サイトや電話で直接いただく予約のことです。
「予約システム」とは、公式サイトに組み込んで空室の表示から予約の受付までをおこなう仕組みのことです。この仕組みは、予約エンジンとも呼ばれます。
まず、自分の宿の公式サイトをスマホで開いてください。宿を探す人の多くはスマホで見ているので、パソコンの画面では確かめません。
開いたら、次の8項目に○か×をつけます。
| 点検する項目 | ×のときに直すこと |
|---|---|
| 文字が小さすぎないか | 本文の文字を、スマホで読める大きさに上げます。 |
| 写真が縦に潰れていないか | 写真の縦横の比率を、元の写真に合わせて直します。 |
| 電話番号が、スクロールせずに見える位置にあるか | 画面のいちばん上か下に、電話番号を出します。 |
| 予約ボタンが、スクロールせずに見える位置にあるか | 画面の下に、常に出ている予約ボタンを置きます。 |
| 予約ボタンの行き先が、自社の予約システムになっているか | ボタンの行き先を、予約サイトから自社の予約システムに変えます。 |
| 料金とプランが、今年のものになっているか | 古い料金とプランを消し、今年のものに差し替えます。 |
| お知らせ欄が、去年で止まっていないか | いちばん上のお知らせを、最近の出来事に書き替えます。 |
| 読み込みに5秒以上かかっていないか | 重い写真を軽くして、表示を速くします。 |
×がついた項目が、そのまま直す作業のリストになります。全面的な作り直しより、このリストを上から直すほうが先に結果につながります。
画面の下に、スクロールしても消えないボタンを1つ置きます。ボタンの文言は、「空室を見る」か「このサイトから予約する」のどちらかにします。
ボタンの行き先は、自社の予約システムにします。大手予約サイトに飛ぶボタンを目立つ場所に置くと、公式サイトに来たお客様を、手数料のかかる予約へ自分で送り出してしまいます。
私たちは、北海道の人口約4,000人の町にある、古民家のオーベルジュ(全3室)の集客を支援しています。この宿では、2026年7月から8月にかけて公式サイトを作り直し、別のドメインに移りました。
ドメインとは、「oneism.jp」のような、サイトの住所にあたる文字列のことです。住所を変えると、検索エンジンが旧ページに付けていた評価と、ブックマークなどからの入口が途切れます。
旧ページを移転先のページにつなぐ設定を、「301リダイレクト」と呼びます。サーバーやサイトの管理画面で入れる設定なので、自分で触れない場合は制作会社に頼めます。この宿では、次の順で作業しました。
私たちが2026年に事業を引き継いだ長野県高山村の旅館「松川館」の公式サイトも、日本語に英語・繁体字中国語・韓国語を加えた4言語で作っています。
なお、作り直しの前後で直販がどう変わったかは、同じ時期に回した広告やSNSなどの施策と切り分けて測っていません。
公式サイトから予約する理由は、値下げ以外で用意します。値段で比べられると、値下げを続けるしかなくなるからです。
直販の特典は、次のような中から3つを選びます。
決めた特典は、トップページと予約ページの両方に書きます。あわせて、「公式サイトからのご予約が、いちばんお得です」の一文も添えてください。
この一文を書く前に、予約サイトのほうが安い日や、条件のよいプランが残っていないかを確かめます。書いてある内容と実際の条件が違うと、それ自体が低い評価のクチコミの理由になります。
写真は、外観・客室・風呂・料理・周辺の景色の順に並べるのを基本にします。
トップページの1枚目だけは、並べる順番とは別に、その宿でいちばん見てほしい1枚を置きます。迷ったときは、泊まったお客様がよく写真を撮っている場所を選んでください。
季節が変わったら、写真も入れ替えます。冬に夏の写真が並んでいると、宿がいまも営業しているのかどうかまで伝わりにくくなります。
施設情報が曖昧なサイトには問い合わせの電話が増え、その対応に現場の時間が削られます。
| 項目 | 書き方 |
|---|---|
| 住所 | Googleマップと同じ表記で書きます。 |
| 電話番号 | 宿で必ず出られる番号を書きます。 |
| チェックイン時刻 | 何時から入れるかと、遅い到着を何時まで受けるかを書きます。 |
| チェックアウト時刻 | 何時までに出ていただくかを書きます。 |
| 駐車場の有無 | 停められる台数と、料金がかかるかどうかを書きます。 |
| 客室数 | 全部で何室あるかを書きます。 |
| 風呂の種類 | 内湯・露天風呂・貸切風呂など、入れるお風呂を書きます。 |
| 食事の場所 | 部屋食か、食事処かを書きます。 |
| アレルギー対応 | どこまで対応できるかと、いつまでに連絡がほしいかを書きます。 |
| 子どもの受け入れ | 何歳から泊まれるかと、子ども用の食事の有無を書きます。 |
| ペットの可否 | 一緒に泊まれるかどうかと、条件を書きます。 |
電話で聞かれたことを、そのまま10個書き出し、答えも書きます。宿の側で考えた質問より、お客様から実際に届いた質問のほうが、読む人の役に立ちます。
書き出すときは、次のような質問を思い出してみてください。
よくある質問は、検索対策にもなります。人は、「子連れ 温泉 食事」のように、知りたいことをそのまま言葉にして検索するからです。
自社の予約システムをまだ入れていない場合は、次の3点で選びます。
2番目は見落とされがちですが、予約の数を数えるために欠かせない条件です。
OTAにも掲載している宿は、3点とは別に、サイトコントローラー(予約サイトと自社予約の空室の数をまとめて管理する仕組み)とつながるかも確かめてください。空室の数を別々に管理すると、同じ部屋に2つの予約が入ることがあります。
| 予約完了ページ | 数えられること | 困ること |
|---|---|---|
| URLが分かれている | 「予約完了ページが開かれたら1件」と数えられます。広告から来た人が予約まで進んだかも追えます。 | 予約システムを変えると完了ページのURLも変わるので、そのたびに設定を直します。 |
| URLが分かれていない | サイトを見た人の数は数えられます。 | 予約の途中の画面と完了の画面が同じURLのため、完了した件数を区別できません。 |
分かれていない場合は、予約システムの提供元に相談してください。予約システムが公式サイトと別のドメインにある場合は、GA4(Googleの無料のアクセス解析)で「クロスドメイン」の設定も必要になります。
予約完了の数え方と毎週記録する数字の手順は、「旅館・ホテルの集客方法9つと、立ち上げる順番|長野と北海道の宿でやっている全手順」に書いています。
全面リニューアルの打ち合わせに何か月もかけているあいだも、いまのサイトの予約ボタンは画面の外に隠れたままです。打ち合わせと並行して、いまのサイトの予約ボタンは先に直しておいてください。
トップページに予約サイトのバナーが並んでいると、自社の予約ボタンと同じくらい目に入ります。バナーはトップページから外すか、ページの下のほうに移してください。
トップの写真を入れ替える日を、季節の変わり目ごとにカレンダーに入れておくと、入れ替え忘れを防げます。
ドメインを変えるときは、旧ページを1ページずつ移転先につなぎ、北海道の宿のように全ページを開いて確かめてください。
お知らせを1本足すのに業者への依頼で1週間かかると、サイトの更新はそのうち止まってしまいます。
文章と写真は、自分で差し替えられるようにしておいてください。全部が難しければ、お知らせのように更新の多いページから、自分で直せるようにしておきます。
無料相談で伺う宿の多くは、予約の大半が1つの予約サイトから入っています。公式サイトの予約の仕組みづくりが、途中で止まっていることもよくあります。
この場合は、見た目を整えるより先に、予約システムを入れて予約ボタンの行き先を作ってください。
このページのチェックリストを含む9章分(チェックリスト70項目・全31ページ)を、印刷できるPDFでお送りします。机の上に置いて、終わった項目に印をつけながら進められます。
作り直すかどうかを決める前に、スマホでサイトを開いて8項目を点検してください。予約ボタンの位置と行き先を直すだけで受け皿として使えるサイトは、全面リニューアルより先にそちらを直します。
予約ボタンを画面の下に常に出すこと、その行き先を自社の予約システムにすること、予約完了ページのURLを分けることの3つを先に伝えます。あわせて、お知らせと写真を自分で差し替えられるようにしてほしいと伝えてください。
スマホで予約が完了するか、予約完了ページのURLがほかのページと分かれているか、手数料が大手予約サイトより明らかに低いかの3点で選びます。とくにURLの条件は、予約の数を数えるために欠かせません。
旧ページを移転先のページにつなぐ設定(301リダイレクト)をしないと、旧ページが積み上げた検索の評価を引き継げず、順位が下がることがあります。私たちが支援する北海道の宿では、旧サイトの全26ページをつなぎ、1ページずつ行き先を確かめました。
作るときに、文章と写真を管理画面から差し替えられる形にしてもらいます。全部が難しければ、お知らせのように更新の多いページから自分で直せるようにしてください。
多言語のページは、日本語のページがそろってから広げます。順番を逆にすると、どの言語のページも中途半端になります。
私たちの支援では、予約につながる構成で公式サイトを作り、予約完了まで数えられる計測を設定します。お申し込みいただいた方には、公式サイト・SNS・予約サイト・Googleマップを調べてまとめた集客カルテ(20〜25ページ・通常5万円相当)をお作りします。サービスの中身は、「旅館・ホテルの集客支援|OTA・公式サイト・SNS・広告など9つの施策を1社で運用」のページでご確認いただけます。
無料相談はZoomで1時間です。相談だけで終えていただいても構いません。