旅館・ホテルの公式LINEを、開設から配信まで整える手順(入口7か所・あいさつ3通・月2回の配信)

この記事は、公式LINEをこれから始める旅館・ホテル・ゲストハウスの方と開設したまま配信が止まっている方に向けて書いています。「公式LINE」=LINEの中に宿のアカウントを作り、友だちになった方にメッセージを送れる仕組みです。正式な名前は「LINE公式アカウント」で、無料のプランから始められます。ここでは開設の設定から友だちの入口、配信の頻度と送り分けまでを順番に書きます。9つの施策の全体と立ち上げる順番は「旅館・ホテルの集客方法9つと、立ち上げる順番|長野と北海道の宿でやっている全手順」にまとめました。

森に面した旅館の客室|泊まっている最中に公式LINEの登録をお願いする場所
FIELD / RYOKAN / JAPAN  ·  客室

泊まった方の名簿にして、二度目の予約につなぐ

初めてのお客様を呼ぶより、一度来た方にもう一度来ていただくほうが手間はかかりません。公式LINEは、その方たちとつながっておくための名簿です。

SNSの投稿は、見てもらえるかどうかが相手の画面の流れしだいです。公式LINEの配信は、友だちになった方のトーク画面にそのまま届きます。

「OTA」=楽天トラベルやじゃらんのような、宿泊の予約サイトのことです。OTAで初めて来てくださった方も公式LINEの友だちになってもらえば、次の予約は宿から直接ご案内できます。

次の予約が公式サイトから入れば、その1泊分にはOTAの手数料がかかりません。

1
予約サイトで予約が入る。初めてのお客様とは、予約サイトで出会います。
2
泊まっている最中に、公式LINEの友だちになってもらう。チェックインや客室の案内で、登録をお願いします。
3
月2回の配信で、宿のことを思い出してもらう。季節の話題と空室の案内を、売り込みすぎずに届けます。
4
2回目の予約は、公式サイトから入る。配信やリッチメニューから、公式サイトの予約ページへご案内します。

チェックインで名簿を作る手順は「OTAの手数料を下げ、宿の自社予約比率を上げるLINEの活用方法|チェックインで名簿を作る手順」にくわしく書いています。

北海道の宿はブロック率9.3%、記入名簿499件

私たちが支援している北海道の宿は、人口約4,000人の町にある全3室の古民家のオーベルジュ(料理を中心にした宿)です。この宿の公式LINEのブロック率は、2026年6月の時点で9.3%でした。

「ブロック率」=友だちのうち、配信を受け取らない設定にした人の割合です。低いほど良い数字で、配信の中身と頻度が友だちに合っているかの目安になります。

この宿ではチェックインのときに公式LINEの登録をお願いし、あわせて記入フォームにお名前と地域を書いていただいています。その記入フォームの件数は、2026年6月の時点で499件でした。

499件は記入された名簿の件数で、友だちの総数や予約の件数とは別の数字です。

名簿が売上をどれだけ動かしたかは、計測で確かめた数字がないためここでは書きません。

リッチメニュー6枠と、あいさつを3通に分ける設定

LINE公式アカウントを開設したら、最初に次の4つを設定します。

設定入れるもの
アカウント名宿名をそのまま
プロフィール画像外観か、宿でいちばん強い写真の1枚
あいさつメッセージ友だちになった直後に届くメッセージ(3通に分ける)
リッチメニュートーク画面の下に固定で出るボタン(6枠)

リッチメニューは6枠、最低でも3つは入れる

「リッチメニュー」=トーク画面の下に固定で表示される、画像のボタンです。ここでは、ボタンを6つ並べる型で作る例を書きます。

枠押したときの行き先
空室を見る公式サイトの予約ページ
アクセス地図と、駅や駐車場からの道順のページ
よくある質問公式サイトのよくある質問のページ
館内の案内食事の時間・風呂の時間・Wi-Fiなどをまとめたページ
電話する宿の電話番号
お問い合わせ問い合わせのフォームか、トーク画面

6つを用意できないときに先に入れる3つとして、私たちは「空室を見る」「館内の案内」「よくある質問」をすすめています。

あいさつメッセージを3通に分ける

登録した直後に長い文章を送ると、その場でブロックされやすくなります。あいさつは短くして、3通に分けてください。

順番書くこと
1通目お礼と自己紹介を、3行で書く
2通目宿の楽しみ方を、1つだけ伝える
3通目友だち限定の特典を渡す
あいさつメッセージ(例文)

1通目:友だち登録ありがとうございます。○○温泉の○○館です。館内のご案内や、空室のお知らせをお送りします。

2通目:夕食の前には、宿の裏の散歩道がおすすめです。地図は、下のメニューの「館内の案内」から見られます。

3通目:友だちの方には、キャンセルで空室が出た日を先にお知らせしています。ご予約は、下のメニューの「空室を見る」からどうぞ。

登録の入口は公式サイト・客室カード・食事処など7か所

入口が1つだけでは、友だちは増えません。次の7か所に、QRコードかリンクを置きます。

入口の場所置くもの
1. 公式サイトのトップページリンクのボタン
2. 予約完了後のメールリンク
3. 客室の案内カードQRコード
4. フロントの卓上QRコード
5. 食事処のテーブルQRコード
6. Instagramのプロフィールリンク
7. チェックアウト時のお礼カードQRコード

友だちがいちばん増えるのは、公式サイトより館内です。泊まっている最中は、お客様が宿のことをいちばん身近に感じている時間だからです。

チェックインのときは、QRコードを見せながら一言添えます。「館内のご案内が公式LINEで見られます」と伝えると、登録してくださる方が増えていきます。

公式サイトにしか入口がないと、泊まる前にサイトを見た方にしか目に入りません。客室・フロント・食事処・お礼カードの4か所なら、泊まっている間に目に入ります。

友だち限定の特典1つ、値引きより先行の空室案内

登録していただく理由として、友だち限定の特典を1つ決めます。特典は、値引きでなくて構いません。

特典の例続けやすい理由
空室が出たときの、先行のお知らせキャンセルが出た日を埋める手段にもなります
友だち限定の、食事の一品料金を下げずに、友だちだけの得を作れます
早めのチェックイン、または遅めのチェックアウト空いている日に限れば、手間がほとんど増えません

値引きを特典にすると、次の配信でも値引きを期待されるようになります。配信が割引の案内ばかりになりやすいので、特典は値引き以外から選んでください。

月2回の配信を、宿泊済み・未宿泊・地元で送り分ける

配信が多すぎるとブロックされ、少なすぎると宿のことを忘れられます。私たちは、月2回を基本にしています。

月2回の中身は、次の2本立てにします。

回中身
1回目季節の話題(料理・景色・周辺の行事)に、空室の案内を1行だけ添える
2回目宿の裏話や、スタッフの話(売り込みはしない)
1回目の配信(例文)

今月から、夕食の最初の一品に地元の新そばをお出ししています。

宿の前の山も、少しずつ色づいてきました。

空室は、下のメニューの「空室を見る」から確かめられます。

売り込みばかりの配信を続けると、ブロックが増えて配信が届く相手が減っていきます。

宿泊済み・未宿泊・地元の3つのタグで送り分ける

全員に同じ内容を送り続けると、関係のない人にも届きます。「タグ」=友だち一人ひとりにつける目印のことで、目印ごとに配信を送り分けるときに使います。

タグ送る内容
宿泊済み次の予約のご案内
未宿泊(問い合わせのみ)宿の紹介
地元・近隣地元の方向けのお知らせ(日帰りや食事の受け付けがある宿の場合)

タグは、この3つを先に作っておきます。宿泊済みと未宿泊を分けるだけでも、配信への反応が変わります。

LINE公式アカウントでは、管理画面のチャットから友だち一人ずつにタグをつけます。無料の範囲でもタグは5個まで作れて、1人に1個ずつつけられます(2026年9月時点のLINEヤフーの案内)。

たとえばチェックインのときに登録してくださった方には、その日のうちに「宿泊済み」をつけます。配信するときに配信先としてタグを選ぶと、その方たちだけに送れます。

送る前に、どのタグの方に届く配信かを必ず確かめてください。

ブロック率を月1回確かめる

ブロック率は管理画面で確かめられ、見るのは月1回で足ります。

配信のたびにブロックが一気に増えていたら、内容か頻度が合っていません。売り込みの回を減らして宿の話を増やすと、落ち着くことが多いです。

割引の案内ばかり送って、ブロックが増えた失敗

私たちの失敗:割引とキャンペーンの案内ばかり送った

公式LINEの配信を始めたばかりのころ、私たちが割引やキャンペーンの案内ばかりを送っていた時期があります。その結果、ブロックが増えて開封率も落ちていきました。

「開封率」=配信を開いて読んだ人の割合です。売り込みを減らして季節の見どころなど読んでうれしい内容に変えてから、ブロックの増え方が落ち着きました。

ほかによくある4つのつまずき

1
登録直後に、長い自己紹介を送る。いちばんブロックされやすい瞬間です。1通目は3行で止めてください。
2
配信が空室の案内ばかりになる。読む理由がなくなります。売り込みをしない回を、必ず挟みます。
3
入口が公式サイトにしかない。館内に置くほうが、友だちは増えます。
4
タグをつけずに全員へ送る。未宿泊の方に「またお越しください」と送ると、雑に扱われた印象が残ります。

配信より入口づくりが先の宿

開業したばかりで泊まった方がまだ少ない宿は、配信の中身を練るより先に館内の入口を整えてください。友だちが少ないうちは、配信を工夫しても数字の違いが読み取れません。

このページのチェックリスト(8項目)

終わった項目に、印をつけながら進めてください。

資料「脱OTAの全手順」(無料)

このページのチェックリストを含む9章分(チェックリスト70項目・全31ページ)を、印刷できるPDFでお送りします。

資料「脱OTAの全手順」を受け取る

よくある質問

公式LINEは、無料で使えますか。

LINE公式アカウントは、無料のプランから始められます。送れるメッセージの数には上限があるので、友だちと配信が増えてきたら有料のプランを検討してください。

友だちが何人になったら、配信を始めればよいですか。

人数で決めるより、先に入口とあいさつの3通を整えてください。そのうえで友だちになった方がいれば、月2回の配信を始めて構いません。

配信は、どのくらいの頻度がよいですか。

月2回を基本にしています。1回目は季節の話題に空室の案内を1行添え、2回目は宿の裏話やスタッフの話にします。

ブロック率は、どう見ればよいですか。

低いほど良い数字です。私たちが支援している北海道の宿では、2026年6月の時点で9.3%でした。数字の高い低いより、配信のたびに急に増えていないかを月1回確かめてください。

公式LINEで、予約を受けられますか。

リッチメニューの「空室を見る」から、公式サイトの予約ページにつなぐ形をおすすめしています。予約を公式サイトの予約システムで受けると、予約完了の件数を計測で数えられます。

公式LINEに機能を足す拡張ツールは、必要ですか。

最初は必要ありません。タグをつけて送り分けるところまでは、LINE公式アカウントの機能でできます。名簿がたまって送り分ける人数が増えてから、検討してください。

無料相談はこちら

公式LINEの配信やステップ配信(予約のあとに順番に届くメッセージ)の作成、お客様の声の回収までご相談を承っています。お申し込みの方には、お宿の集客カルテ(通常5万円相当)をお作りします。

無料相談はZoomで1時間です。相談だけで終えていただいても構いません。

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