この記事は、地方でAI活用を検討している経営者や、自治体の関係者に向けて書いています。私たち株式会社One Ismは、地方創生とAIマーケティング支援を仕事にしています。広告運用の受託だけでなく、自社で旅館を運営し、データ基盤やダッシュボードも自分たちで作っています。この記事では、その中で実際にAIへ任せている作業を、抽象的にではなく、作業のレベルで一覧にします。
先に、正直に書いておきます。私たちは「地方創生」という言葉が、あまり好きではありません。どこか、外から与えるような響きがあるからです。私たちは自分たちの仕事を「地方から、日本をおもしろくする」と呼んでいます。ただ、この話題を探す方の多くはこの言葉で検索されるので、この記事ではあえて「地方創生」を使って書きます。
「AI活用」という言葉は、便利な分、中身が伝わりにくいと感じています。私たちが実際にAIへ任せている作業は、次の5つです。頻度と、どこまでを任せているかもあわせて書きます。
どの作業にも共通しているのは、最後の判断は人が行うという点です。ここから先は、この一覧をなぜ公開するのか、作業ごとの中身、実際に起きたつまずきと対処法、そして今日から始められる手順まで、正直にお伝えします。
「AI活用」は、事例として語られる時、抽象的な言葉で終わることが多いと感じています。「業務効率化」「DX推進」といった言葉だけでは、実際に何をすればいいのか、伝わりません。
私たちは、地方創生とAIマーケティング支援を仕事にする会社として、広告運用の受託を1つの柱にしています。もう1つの柱が、自社での事業運営です。創業140年の旅館を自社で運営しています。この旅館では、この一覧にある作業を実際に使いながら、売上を前年同月比240%、最高月商1,100万円まで伸ばしました。広告面でも、月額広告費30万円で最高ROAS1,200%超を記録した月があります。
この仕組みは、旅館だけのものではありません。あるスクール事業の支援では、広告費46万円で月商387万円を達成しました。北海道のホテルの支援では、1年で売上が約6倍になっています。業種が違っても、日々の数字を読み、変化に気づき、改善案のたたき台を作るという作業そのものは共通しています。だからこそ、AIに任せる部分を作業レベルで切り出せます。
支援する側であると同時に、自分たちの現場でも同じ仕組みを使う。だからこそ、抽象論ではなく、作業のレベルで公開する意味があると考えています。
もう1つの柱として、こうした運用を支えるデータ基盤やダッシュボードも、自社で内製しています。広告の数字集計から、公開までを自分たちの手で作っているからこそ、任せている作業を具体的に説明できます。
ここからは、先ほどの一覧を、領域ごとに具体的な作業として書き出します。特別な技術ではなく、日々くり返している作業です。
配信中の広告の数字を、毎日決まった形式で読み取ります。前日比・前週比の変化を計算し、普段と違う動きをした広告に印をつけます。具体的には、ROAS(広告費用対効果)が普段の水準を大きく下回った広告や、CPA(1件あたりの獲得単価)が急に上がった広告を優先的に拾い上げます。
数字が悪化した時は、考えられる原因の候補を箇条書きで用意します。クリエイティブの摩耗なのか、配信先の変化なのか、季節要因なのか。改善案のたたき台を作るところまでがAIの役割で、実際に配信を変更する判断は人が行います。自社運営の旅館で月額広告費30万円で最高ROAS1,200%超を記録した月も、日々の数字をこの手順で追いかけ、伸びている変化を早く捉えたことが、予算配分の判断を早める材料になりました。
SEO記事やコラムを書く前に、狙うキーワードにまつわる情報を集め、見出しの構成案を作ります。既存の記事と内容が重ならないかも、あわせて確認します。この時に使うのが、Search ConsoleやGA4の実データです。たとえば自社サイトoneism.jpでは、直近28日間でアクティブユーザー2,031人・新規ユーザー1,961人、検索クリック568・表示回数6,023・平均クリック率9.43%・平均掲載順位9.92という数字が出ており、検索経由の流入が全体の約57%を占めています。どのクエリで表示回数が多いのにクリック率が低いか、どのクエリの掲載順位が上がってきているかをAIが拾い出し、構成案に反映します。
構成案がまとまったら、文章の下書きを書きます。事実として使ってよい情報かどうかの確認や、公開前の最終チェックは、人が担当しています。
広告・売上・アクセスといった生データを、決まった形式に整形します。同じ手順で毎日くり返す作業のため、AIに向いている部分です。整形した数字を、ダッシュボードの表示形式へ反映します。数字の異常な動きがないかを一次チェックする作業も、あわせて任せています。自社運営の旅館の売上を前年同月比240%、最高月商1,100万円まで伸ばす過程でも、この日次集計の仕組みが土台になっています。数字が毎朝そろっているからこそ、変化に早く気づけます。
SNSの投稿ネタを探し、投稿文の下書きを作ります。写真の候補を整理する作業も含まれます。自社運営の旅館では、こうした運用の積み重ねでSNS総フォロワーが3万人を超えました。投稿の型が固まってからは、ネタ出しと初稿づくりの多くをAIに任せ、人は最終的な言葉づかいと公開タイミングの判断に集中しています。
案件ごとの進行状況や締切が近いタスクを整理する作業、打ち合わせのメモを要約する作業も任せています。地味な作業ほど、AIに向いていると感じています。
AIに作業を任せ始めると、必ずと言っていいほどつまずく場面があります。私たちが実際に経験した3つと、その対処法を共有します。テーマに関わらず起きやすい失敗なので、これから任せる作業を考える時の参考にしてください。
この一覧をすべてそろえる必要はありません。私たちも、1つの作業から少しずつ広げてきました。今日から始められる手順を書きます。
この3ステップを1つの作業で回してみると、任せられる範囲の感覚がつかめます。慣れてきたら、次の作業へ広げていく。私たち自身も、この繰り返しでここまで来ました。
ここまで、AIに任せている作業を書きました。ただ、任せていない作業のほうが、実は大切だと感じています。
広告の予算をいくら使うか、記事を公開してよいか。こうした最終判断は、必ず人が行います。AIが用意した材料をもとに決めるのは、いつも人です。
お客さまや取引先との関係づくりも、人にしかできない作業です。地方創生の仕事は、地域の方や関係者との信頼が土台にあります。ここをAIに置き換えることは考えていません。
金額の交渉や契約に関わる判断、そして「らしさ」が問われるクリエイティブの最終決定も、人が担っています。AIに向いているのは、手順が決まっている作業です。判断が要る作業や、感情が絡む対応は、これからも人が引き受けます。
私たち自身が少人数の会社です。大きなシステム投資を前提にした一覧ではありません。1つの作業から少しずつ任せる範囲を広げてきた結果です。人数が少ない会社ほど、参考にしやすいと考えています。
はい。広報文の下書きや、データの集計・整形といった作業は、自治体の業務にも共通する部分が多いと感じています。まずは繰り返しの多い作業から見直すことをおすすめします。
正直に言うと、ゼロではありません。だからこそ、AIが作ったものをそのまま出さず、人が最後に確認する工程を必ず挟んでいます。任せる作業と、確認する作業を分けることが大切だと考えています。
そろえる必要はありません。私たちも、最初から全部を任せていたわけではなく、1つの作業から始めています。まずは毎週くり返している作業を1つ選ぶところから始められます。
増える可能性はあります。私たちも、任せる作業を少しずつ広げてきました。うまくいった範囲だけを残し、うまくいかなかった部分は人に戻しています。この一覧も、その時点での記録です。
毎回同じ手順で終わる作業かどうかを基準にしています。数字の集計や下書きづくりのように、判断が要らず繰り返しの多い作業から任せています。逆に、金額の判断や人間関係が絡む作業は、最初から人が担当すると決めています。
この記事で挙げている数字は、すべて実際の実績です。前年同月比240%や最高ROAS1,200%超といった数字も、自社で運営する旅館の広告・売上データからそのまま持ってきています。誇張したモデルケースではありません。