広告代理店にお願いしたのに、成果が出ない。そんな相談をよくいただきます。原因の多くは、代理店の実力ではありません。発注する側が数字を見ていないことです。私たちOne Ismは、自社旅館の広告運用を担当しています。月30万円の予算で、自分たちの手で運用してきました。この記事では、当事者として運用してきた経験をお伝えします。「言われた通りにやる」運用が効かない理由と、発注側が持っておくべき視点です。
細かい話に入る前に、結論からお伝えします。代理店に頼むにしても、自社で運用するにしても、発注する側が持つべき視点は同じです。
この4つがあるかどうかで、同じ広告費でも結果は変わります。ここからは、なぜ「言われた通り」が効かないのか、その構造をお話しします。
広告代理店に依頼する目的は、専門知識を借りることです。ここに間違いはありません。
問題が起きるのは、依頼したあとです。「プロに任せたから大丈夫」と考えて、数字を見なくなる瞬間があります。
広告の良し悪しは、出してみるまで誰にも分かりません。この旅館の運用でも、最初に良いと思った写真が外れることは何度もありました。
だからこそ、出したあとに「効いているか」を確認する作業が欠かせません。ここを代理店だけに任せてしまうと、発注する側は良し悪しを判断できなくなります。
判断できないと、報告を「そういうものか」と受け取るしかありません。数字が悪くても、良くても、疑問を持てなくなるのです。
これは代理店の質の問題ではありません。発注する側が「見る仕組み」を持っていない、という構造の問題です。
私たちOne Ismも、広告運用を受託する仕事をしています。だからこそ言えます。良い代理店ほど、発注側にも数字を見てほしいと考えています。
丸投げは、代理店にとっても望ましい状態ではありません。数字を一緒に見てくれる発注先のほうが、良い運用につながるからです。
私たちOne Ismは2023年7月設立、代表は大橋祐哉です。専門の広告代理店として創業したわけではありません。地方創生とAIマーケティングの支援を仕事にする中で、自社でも旅館を運営することになり、そこで広告運用そのものを引き受けることになりました。
この旅館は、創業140年の旅館です。廃業寸前だった旅館を、私たちが自社で引き継いで運営しています。広告は代理店に外注せず、自分たちの手で運用しました。理由は単純です。当事者として、数字に向き合いたかったからです。
月額の広告費は30万円です。この予算で、最高ROASは1,200%超、売上は前年同月比240%、最高月商は1,100万円まで伸びました。予算の考え方や数字の詳細は「旅館の広告費は月いくらが適正か」に書いています。ここでは、その30万円をどう配分し、どう入れ替えていったかをお伝えします。
配信を始めた直後は、どの写真が刺さるか、どの文言が刺さるか、誰にも分かりません。この旅館の運用でも、最初に良いと思った写真が外れることは何度もありました。だからこそ、最初の2週間は「当てにいく」予算ではなく「知るための」予算だと割り切りました。複数の写真・複数の見出しを並行して配信し、広告ごとのCTR(クリック率)だけを見ます。この段階で予約数を追いかけると、母数が少なすぎて判断を誤ります。
2週間分のCTRが出そろったら、上位のパターンに予算を寄せます。下位のパターンは止めるか、写真だけ差し替えて再テストします。この入れ替えを毎週続けることで、30万円という限られた予算でも、少しずつ「効く組み合わせ」だけが残っていきます。
判断に迷わないために、止める基準を先に数字で決めておきました。CTRが1%を下回ったら、写真か文言を疑う。予約が伸びない週は、広告ではなくサイト側を疑う。基準を先に決めておくと、数字が悪いときも良いときも、判断に迷いません。
配分の型を決めても、見る習慣がなければ意味がありません。私たちがこの旅館で続けているのは、決まった曜日に、決まった順番で数字を見ることです。特別な分析ツールは使っていません。広告の管理画面とスプレッドシートだけで十分です。
毎週、同じ順番で3つを見ます。まず広告費とROASの推移。先週と比べて伸びているか落ちているかを確認します。次に広告ごとのCTR。どの写真・どの文言が反応を得ているかを見ます。最後に予約数とのつながり。クリックは増えているのに予約が増えていないなら、広告ではなくサイト側か予約導線を疑います。この3つを、毎週30分で確認しました。詳しい集客の回し方は「旅館の集客方法まとめ」にも書いています。
CTRが1%を下回ったら、写真か文言を疑いました。予約が伸びない週は、広告ではなくサイト側を疑いました。この「疑う」作業を人任せにしなかったことが、いちばん効いたと感じています。原因を自分の頭で考えるから、次の一手にも納得できます。
実際に、忙しさを理由に数週間チェックを飛ばした時期もありました。その間は、CTRが落ちている広告に気づかず、そのまま配信を続けてしまいました。再開して数字を見たときには、無駄になった広告費がすでに発生していました。週次でチェックしていれば、もっと早い段階で止められた広告です。この経験から、どんなに忙しくても週次のチェックだけは飛ばさないと決めました。
自社運用でも代理店運用でも、同じところでつまずきます。私たちが実際に経験した・見てきた3つの失敗パターンと、その対処法を共有します。
この旅館の運用は自社で行いましたが、代理店に依頼すること自体は、間違った選択ではありません。専門知識も時間も、外に借りたほうが早い場面は多くあります。
大事なのは、依頼したあとに「見る側」を降りないことです。ここでは、発注する側が持っておくとよい視点を挙げます。
これらは、代理店を疑うための質問ではありません。良い運用をお互いに続けるための、共通言語です。
発注側が数字を見られるようになると、代理店との会話の質も変わります。「言われた通り」から、「一緒に判断する」関係に近づきます。
この「発注側も数字を見る」という考え方は、旅館に限った話ではありません。私たちが支援したスクール事業では、広告費46万円で月商387万円を達成しています。北海道のホテルでは、同じ運用の型を使って1年で売上が約6倍になりました。業種が変わっても、数字を見る習慣そのものは変わらないということです。
自社で運用した結果を、正直な数字でお伝えします。
どちらが正解ということはありません。専門知識や時間が足りないなら、代理店に頼むのは合理的です。大事なのは、依頼したあとも数字を自分の目で見続けることです。
最初の2週間は、1つの広告に全額を賭けず、複数の写真・文言を並行して試すことをおすすめします。この期間はCTR(クリック率)だけを見て、予約数の判断はまだしません。母数が少ない段階で予約数を追うと、判断を誤りやすいためです。
配信を始めた直後は、配信先が最適化される途中で数字が不安定になりやすい時期があります。この時期に慌てて止めず、一定期間データがたまってから判断することをおすすめします。私たちはCTRが1%を下回ったら、写真か文言を疑う、という基準を先に決めていました。
私たちは「広告費とROASの推移」「広告ごとのCTR」「予約数とのつながり」の3つを、毎週同じ順番で見ています。この3つを30分ほど確認するだけで、良くなっているか悪くなっているかは判断できます。
予約完了まで計測できる状態が整っているか、契約前に確認します。そのうえで、報告のたびに数字の理由を説明してもらえるかを見ます。
判断材料にはなりますが、それだけに頼るのは危険です。ROASの推移など、基本の数字は自分でも追えるようにしておくことをおすすめします。
できます。私たちも、専門の広告代理店ではありません。週に一度、決まった数字を見る習慣があれば、判断はできるようになります。
事業によって変わります。参考として、私たちは自社旅館を月額30万円の広告費で運用しました。詳しい考え方は関連記事「旅館の広告費は月いくらが適正か」に書いています。
代理店に任せるべきか、自社で見るべきか。迷う場合も、まずはご相談ください。運用の実務も、当事者として数字を見る仕組みづくりも承っています。相談だけでも歓迎します。
ご相談は無料です。1営業日以内にご返信します。無理な営業はしません。