AI活用を検討しているものの、「AIの成果物をそのまま出して大丈夫か」と不安な経営者へ向けて書いています。私たちOne Ismは、AIが作った記事・資料・コードなどの成果物を、必ず別の観点でチェックする工程を挟んでから世に出しています。作る側と検証する側を分けることで、AI活用でも品質を落とさない仕組みを作りました。その中身を、正直にお伝えします。
結論から先にお伝えします。私たちは、AIが作った成果物を、そのままお客さまや世の中に出すことはしていません。作る工程と、検証する工程を分けています。
ここから先は、この仕組みをなぜ作ったか、実際に何をどう見て、どう差し戻しを回しているかを、順番に説明します。
AIは、文章でも資料でもコードでも、自然な形に仕上げるのが得意です。ただ、自然に見えることと、正しいことは別です。存在しない事実や、根拠のない数字を、違和感なく書いてしまうことがあります。
もうひとつの落とし穴は、作った本人が見返しても気づきにくいという点です。これは人の仕事でも同じです。自分で書いた文章を自分で校正しても、思い込みごと見落とすことがあります。AIも同じ理屈で、作った工程と同じ視点のまま確認すると、同じ見落としが残ります。
実際にあった例です。広告成果をまとめた資料の下書きで、「広告費でROAS1200%超を達成」という一文の金額部分が、実際の記録と違う数字になっていたことがありました。文章としては自然で、読むだけでは違和感がありません。検証工程で本文の数字と広告レポートの実数を1つずつ突き合わせたところ、ずれに気づき、差し戻しました。正しくは、月額広告費30万円でROAS1200%超です。
特にリスクが大きいのは、外部に公開されるもの・数字や固有名詞など事実に基づく情報・お客さまに直接渡るものです。ここを「AIが作ったから、たぶん大丈夫」で通すのは、私たちは危ないと考えています。だからこそ、作る工程とは別に、検証する工程を必ず用意しています。
対象は、記事・資料・配信文・コード・提案の中身など、外に出るものすべてです。作った工程とは別の工程に必ず通します。担当を分けることで、視点そのものを変えます。見ている観点は、主に次の5つです。
基準は、そのつど決めるのではなく、先にチェックリストとして文書化しています。基準を先に決めておくと、検証する側の気分やその日の調子で、判定がぶれることがありません。
検証は、1回見て終わりにする作業ではありません。基準を満たすまで、差し戻しと再検証を繰り返す前提で仕組みを組んでいます。実際の流れは、次の手順です。
差し戻した内容は、その場で終わらせずに記録として残しています。同じ種類の見落としが繰り返されていないかを、あとで振り返れるようにするためです。検証は一回きりの合否判定ではなく、次に活かす材料でもあります。
この仕組みを回す中で、私たちが実際につまずいた・気をつけている失敗パターンを2つ共有します。
検証工程を挟んでいても、それで人の仕事がなくなるわけではありません。検証を通ったものを、最終的に世に出すかどうかは、必ず人が確認して判断します。
ここでの人の役割は、細かい誤字や体裁を一つひとつ探すことではありません。全体として意図どおりか、公開して問題ないかを、最後にまとめて判断することです。検証工程が手前の見落としを減らしているぶん、人はこの最終判断に集中できます。
もうひとつ、権限が必要な操作は、常に人の手で行っています。実際に公開する・外部に送信する・アカウントに反映する、といった後戻りしにくい操作です。仕組みで守れる範囲と、人にしか担えない範囲を、分けて考えています。5つの観点でのチェックと、差し戻し→再検証のループは、あくまで人の最終判断を確かなものにするための手前の工程です。
はい、意味があります。大事なのは、作った工程と検証する工程を分けることです。同じ視点で見返しても、同じ見落としが残ります。別の観点・別の基準で見る工程を挟むことで、見落としに気づけます。
主に5つです。事実確認、要件充足、動作と表示崩れ、データの安全性、表現とデザインの標準です。基準は先に文書化しておき、そのつど感覚で判断しないようにしています。
あります。広告費や成果などの数値は、必ず一次データと突き合わせて確認しています。文章としては自然でも、数字が実際の記録と違っていれば差し戻します。
Webページやアプリであれば、実際にクリックしたり入力したりして、表示が崩れていないか、意図どおりに動くかを確認します。見た目が整っていても、実際に触ると動かないことがあるためです。
理由と直し方をつけて、作った側に差し戻します。合格するまでは、外に出しません。差し戻した内容は記録に残し、同じ間違いを繰り返さないための材料にしています。
いいえ、最終的に世に出すかどうかは、必ず人が確認して判断します。検証工程は、人が確認する前の段階を整えるためのものです。人の確認する量を減らすためではなく、確認の質を上げるための仕組みです。
はい。記事・資料・コード・配信文など、外に出るものはすべて同じ検証工程を通します。自社と支援先で基準を変えることはしていません。