少数精鋭という
経営判断なぜ人数を増やさずに事業を広げるのか

この記事は、事業を広げるにあたって、人を増やすべきか悩んでいる経営者に向けて書いています。私たちOne Ismは、事業を広げてきましたが、人数はほとんど増やしていません。少数精鋭とAI活用を組み合わせて、その経営判断をしてきた理由を、正直にお伝えします。

少数精鋭とAI活用による経営判断|人数を増やさずに事業を広げる方針
FIELD — RYOKAN / JAPAN  ·  自社の経営判断

先に結論。人数を増やさない理由

遠回りせず、先に結論をお伝えします。私たちが人数を増やさない判断をしている理由は、主に4つです。

1
「人を増やす」には、見えにくいコストが伴う。採用にも教育にも、時間とお金がかかります。育った頃には、また次の課題が現れます。
2
AIの台頭で、スキルの差は埋まっていく時代になった。数字の集計やレポートの下書きといった繰り返し業務をAIに任せることで、少ない人数でも担える仕事の幅が広がっています。
3
人数が増えるほど、理念は薄まりやすい。一人ひとりが方向性を共有できることを、私たちは優先しています。採用の基準も「志・至誠・円融自在」の3つに絞り、増やす速さより、合う人と組めるかを重視しています。
4
増やさないことは、縮こまることではない。少数精鋭とAIの組み合わせで、事業の広がり自体は追っています。実際の数字は、次の章でお見せします。

ここから先は、この判断に至った理由と、実際にどこまで事業を回せているかを、数字とあわせて具体的に書いていきます。

なぜ、人数を増やす判断をしなかったか

私たちOne Ismは、2023年7月に資本金100万円で設立した、地方の再興とAIマーケティングの支援会社です。代表は大橋祐哉。設立から、事業の幅は広がってきました。ただ、その広がりに合わせて人数を増やす、という判断はしていません。

事業を広げるとき、多くの会社が最初に考えるのは、人を増やすことだと思います。仕事が増えたら、人を増やす。自然な発想です。

私たちも、その発想を検討しなかったわけではありません。ただ、増やす前に、増やすことのコストを先に見るようにしています。

採用には、募集から面談、受け入れまで、時間がかかります。教育には、さらに時間がかかります。育った頃には、また次の課題が現れます。

加えて、人数が増えるほど、一人ひとりに理念が伝わりきらなくなります。うちは少数精鋭でいく方針です。方向性を共有できているかどうかが、そのまま組織の強さに直結すると考えています。

私たちが事業を広げる順番も、人数を積み増す発想とは違います。①自社で旅館を運営して型をつくる、②その型を他の宿へ広げる、③地方の若者に挑戦の場をつくる、④宿から地域全体へ広げる。この4段階のビジョンは、人数を増やして規模を追うものではなく、1つの型を磨いて横展開する考え方です。だからこそ、少人数のままでも事業を広げられると考えています。

こうしたコストと、AIの台頭でスキルの差が埋まっていく時代になったことを合わせて考え、人数を増やさない、という判断をしています。

少数精鋭+AIで、実際にどこまで事業を回せているか

「人数を増やさない」と言うだけでは、抽象論で終わってしまいます。ここでは、私たちが実際に少人数体制のまま出している数字を、具体的にお見せします。

自社で運営する旅館の実績

私たちは、創業140年になる旅館を自社で運営しています。広告運用からSNS発信、予約導線の整備まで、少人数の体制で見ています。その中で出ている数字が、売上の前年同月比240%、最高月商1,100万円です。広告面では、月額広告費30万円でROAS(広告費用対効果)1,200%超を達成した月もあります。SNSの総フォロワーは3万人を超えています。

これだけの成果を、担当者を増やさずに出せているのは、日々の広告数値の集計やレポートの下書き、SNS投稿の下書きといった繰り返し業務をAIに任せ、人は訴求の最終判断やクリエイティブの確認に時間を使う、という役割分担ができているためです。

支援先でも、同じ構造で成果が出ている

この構造は、自社の旅館に限った話ではありません。あるスクール事業の支援では、広告費46万円で月商387万円を達成しました。北海道のホテルの支援では、1年で売上が約6倍になりました。支援を担当する人数を増やさずに、複数の案件を並行して見られているのも、同じ「繰り返し業務をAIに任せる」という構造があるからです。

自社サイトの検索流入も、同じ体制で伸ばしている

公式サイトoneism.jpの直近28日間のデータでは、アクティブユーザー2,031人、新規ユーザー1,961人、Search Consoleの検索クリック568・表示回数6,023、平均クリック率9.43%・平均掲載順位9.92という数字が出ています。検索経由の流入は、全体の約57%を占めています。SEO専門の担当を新たに増やしたわけではなく、既存の少人数体制の中に、記事の下書きや数字の分析をAIに任せる仕組みを組み込むことで、この数字を作っています。

AIに任せている業務、人に残している判断

ここまでの数字を支えているのは、任せる範囲と残す範囲をはっきり分けていることです。情報発信の下書き、広告や検索の数字の集計、進捗の整理。こうした繰り返しの多い業務は、AIに任せています。人が一から手を動かす時間を、減らせています。

一方で、価格や契約に関わる判断、人の採用に関わる判断、経営そのものの判断は、いまも人が担っています。AIは、判断の材料をそろえる役割であって、判断そのものを代わりに行う役割ではありません。以前なら複数人でようやく回せていた業務量を、AIと組んだ一人が担えるようになってきました。人数ではなく、一人あたりの範囲を広げる方向で、事業の広がりに対応しています。

つまずきやすい3つの失敗パターン

少数精鋭とAIの組み合わせは、やり方を間違えると機能しません。私たちが実際につまずいた、または見てきた3つのパターンを共有します。

1
判断の基準を決めずに、AIへ広く任せてしまう。「とりあえず任せておけば楽になる」という発想で、価格や契約に関わる判断までAIの出力をそのまま使ってしまうと、事故のもとになります。対処法は、最初に「繰り返しがあり、正解が明確な作業」と「一回きりで、経験に基づく判断」を分け、後者は必ず人が確認するルールを先に決めておくことです。
2
繰り返しのない一回きりの業務まで、AIに置き換えようとする。案件ごとに条件が違う交渉や、初めて扱うトラブル対応まで無理にAIに任せようとすると、確認や修正にかえって時間がかかります。対処法は、まず繰り返し頻度が高く、正解がはっきりしている業務から任せ始め、効果を確認してから範囲を広げることです。
3
少人数のまま、依頼の重なりに対する備えを用意していない。少数精鋭は、依頼が同じ時期に重なると詰まりやすい体制です。備えがないまま件数だけ増やすと、対応漏れにつながります。対処法は、繁忙期になりやすい時期をあらかじめ把握し、優先順位のルールと、対応を待ってもらう際の伝え方を先に決めておくことです。

今日からできる3ステップ

少数精鋭とAIの組み合わせは、自社でも試すことができます。専門知識がなくても、以下の手順どおりに進めれば迷いません。

1
いまの業務を「繰り返し×正解が明確」と「一回きり×判断が要る」に分ける。紙やスプレッドシートに、今週やった業務を書き出し、この2種類に仕分けます。前者が、AIに任せる候補です。
2
繰り返し業務から1つだけ、AIに任せてみる。数字の集計やレポートの下書きなど、影響範囲が小さいものから始めます。人が一からやった場合とAIに任せた場合とで、かかった時間と精度を比べます。
3
「人が最終確認する」ルールを、先に文章にしておく。価格・契約・採用に関わる判断は、AIの出力をそのまま使わず、必ず人が確認してから外に出す。このルールを、任せ始める前に決めておきます。

この3ステップを1つずつ試すだけでも、人数を増やさずに任せられる範囲が、どこまで広がるかが見えてきます。

この判断のリスクも、正直に

ここまで、少数精鋭とAIの組み合わせについて書きました。ただ、この判断にリスクがないとは思っていません。正直にお伝えします。

【正直な話】急な依頼が重なると、詰まる

人数が少ない分、依頼が同じ時期に重なると、対応が詰まることがあります。人を増やしていれば、分散できた負荷かもしれません。ここは、少数精鋭の弱さだと感じています。

一人に依存する部分は、残る

AIに任せられるのは、繰り返しがあり、正解が明確な作業までです。一度きりの判断や、経験に基づく判断は、結局は特定の人に依存します。人数が少ないほど、この依存は大きくなります。

それでも増やさない、という選択

こうしたリスクを承知したうえで、私たちは人数を増やさない判断を続けています。理由は、増やすことで薄まるものの方が、いまの私たちにとって大きいと考えているからです。

どんな会社に、この考え方が向いているか

少数精鋭とAIの組み合わせは、どんな会社にも当てはまる方法ではないと思います。向いていると感じる会社の特徴を、正直に書きます。

A
業務に、繰り返しの多い作業が一定量ある会社。AIに任せる余地が大きいほど、少数精鋭は機能しやすくなります。
B
理念や方向性を、少人数で強く共有したい会社。人数を絞ることで、共有の密度を保ちやすくなります。
C
急な依頼の重なりを、ある程度は許容できる会社。詰まる時期があることを、前提として受け入れられるかどうかです。

逆に、繁忙期の負荷変動が激しく、絶対に落とせない業務が多い会社には、人数を増やす判断のほうが向いている場合もあると思います。少数精鋭は、万能な正解ではありません。

よくある質問

なぜ、人数を増やさずに事業を広げられるのですか。

繰り返しの多い業務をAIに任せ、一人が担える範囲を広げているためです。人数ではなく、一人あたりの範囲を広げる方向で、事業の広がりに対応しています。

少数精鋭だと、対応できる仕事の量に限界があるのではないですか。

はい、限界はあります。依頼が同じ時期に重なると、対応が詰まることがあります。ここは、少数精鋭の弱さだと正直に感じています。すべてを解決できる方法だとは考えていません。

AIを使えば、本当に人を増やさなくて済むのですか。

任せられるのは、繰り返しがあり、正解が明確な作業までです。価格や契約に関わる判断、採用や経営そのものの判断は、いまも人が担っています。AIは、人数を代替するのではなく、一人が担える範囲を広げる役割です。

どんな会社に、この考え方は向いていますか。

繰り返しの多い業務が一定量あり、少人数で理念や方向性を強く共有したい会社に向いていると考えています。逆に、繁忙期の負荷変動が激しく、絶対に落とせない業務が多い会社には、人数を増やす判断のほうが向いている場合もあります。

少数精鋭にもリスクはありますか。

あります。依頼が重なったときに詰まりやすいこと、判断が特定の人に依存しやすいことです。リスクを承知したうえで、増やすことで薄まるものの方が大きいと考え、いまの方針を続けています。

少人数で、複数の事業を同時に運営できるのはなぜですか。

自社で運営する旅館でも、支援先の案件でも、数字の集計やレポートの下書きといった繰り返し業務をAIに任せる構造が共通しているためです。担当者を増やさずに、案件を横展開できています。

AIに任せている業務を具体的に教えてください。

情報発信の下書き、広告や検索の数字の集計、進捗の整理などです。価格や契約に関わる判断、採用や経営そのものの判断は、必ず人が確認したうえで行っています。

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少数精鋭とAI活用を組み合わせた事業運営についてのご相談を承っています。私たち自身が実践している判断基準をもとに、御社の状況にあわせてお話しします。支援内容のくわしい説明は「サービス紹介」のページをご覧ください。

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